人生二度目のヒッチハイク | サスライノヒビ

人生二度目のヒッチハイク

レンヌへ帰る、バスの出発まで
あと1時間ある。

よし、歩いて
遠く離れたところから
この砂地に浮かぶ島を
確認しよう。
時間が近づいたらバス停に帰ろう。

バスの中からも見たけど
もう一度みたかった。

歩きながら
何度も後ろを振り返って
モンサンミッシェルの風景を確認した。

後ろを同じように歩く女の子がいた。

日本人ぽいけど
わからない。

とりあえず気にせず歩いていたのだけど
そのうち彼女が私においついた。

Kyoちゃんという日本人。

「どこまで行くんですか?」
「歩けるところまで歩いてバスに間に合うように帰ろうかと思って。
 どこまで行くんですか」
「私、駅まで歩こうかと思って。そこから電車で帰るんです。
 一緒に歩きませんか?」

こういう時はなんとなく
面白そうな方に流れやすい私だ。
その提案にのり
二人で歩き始めた。

最初はやんでいた雨が
強くなってきた。
どんどん
どんどん強くなる。

1時間半くらい歩いただろうか。
先が見えず
不安になってきた。
とりあえずびちょびちょ。

「どうしよう。」
「この雨がねぇ。
 なかったらいいお散歩なんだけど」
「ううーーん」

二人で悩んだあげくにいきついた答えが
ヒッチハイクをしてみよう、
だった。

歩きながら
後ろに車が見えたら
手をあげる。

でも
これまたなかなか
止まってもらえない。

何台通り過ぎただろう。

「止まらないもんだねぇ」

と、そこにスピードを落としてくれた車があった。

車のドアが開き
私たちを迎え入れてくれたのは
にこやかなお母さんと
二人の子供。

少し英語のしゃべれるお母さんで助かった。

びちょびちょの私たちを
いやな顔ひとつせず
受け入れてくれて
駅まで連れて行ってくれた。

「よい旅を!」と
ずっと手を振って見送ってくれた3人。

また人のやさしさに触れてしまった。

後でKyoちゃんと
「実はヒッチハイクちょっと恐かったんだよね」
「私も。でも二人なら大丈夫かと思って。。。」
と告白大会。

でも、あの笑顔に触れられて
ヒッチハイクでとても得した気分だった。

でもきっと一人じゃまだ
勇気ないな。
ヒッチハイク。