☆をかかげる山  ムスティエサントアマリー | サスライノヒビ

☆をかかげる山  ムスティエサントアマリー

プロバンスにある
エクスアンプロバンスというところにいる。


ここまで来た目的。

それは
噂だけで聞いた
ムスティエサントアマリーという村にいくためだ。


Kyoちゃんが旅先で出会った
1年くらい旅をしている男の子が
「ここの村が一番よかった」
と言っていたらしい。


エクス(アンプロバンス)から長距離バスが出ている。


Kyoちゃんも行こうとして
エクスまで行ったらしいけど
あいにく、日曜のためバスがなかったらしい。


「代わりに行って写真撮ってきてよ」
「時間があったらねー」


この会話をしたときは
行こう、とは思っていなかった。


きっと時間はないな。


でも、ロンドン出発までの空白の4日間を
どう過ごすか考えた時
上位にあがってきた。


なんとなく気になったのだ。


日曜はバスがない、という情報と
朝の9時しかバスがない、という情報だけを胸に
エクスまでやってきた。


駅で聞くと
1週間のうちに
月/水/土の3日間だけバスが出ていて
そして、その日も
1往復だけ。


エクスに着いた日が
木曜だったので
「明日はバスないよ」と言われて
土曜日に行くことを決めた。


エクスにいる2日間。
ずっと土曜日のバスを待っていた。


晴れますように。
晴れますように。


こればっかり
考えていた。


そして運命の土曜日。

晴れるかどうかわからないけれど
素敵な朝焼けの中
出発した。


途中、
ヘンなノリノリの親父の運転する小さなワゴンに
乗り換えをするようなへんな
乗り継ぎを経て
グルグルと山道を走り
お目当ての場所に到着。


すごい山だ。


しかし、強くなったもんで
「登るぞー」
と息巻いて
探検に出かけた。


見える山がとっても魅力的で
下に見える景色も
かわいらしかった。

お天気も悪くない。


少し道をあがっていくと
そこはおとぎの国のようだった。


小さなお店と
レストラン。
石畳の道と
たくさんのグリーンと
そこの地方の伝統であるという
陶器でできた道のネームプレート。
所々にある
水汲み場。


とっても居心地がよかった。


観光案内所でもらった地図も
宝探しに出かけるかのようなかわいらしさ。


そして
一番の見所。

それは
山と山の間に掲げられている
☆ではないだろうか。


地図を見ても
絵を見ても
山と山の間におほしさまが描かれている。


それを見た時は
なんのことだろう。。。
と思っていたのだけど
よくよく見たら
本当に掲げれているのだ。

☆が。


かわいい。


☆に近づくために道をあがって行った。


その下に広がる景色も
なんとも童話の中に迷い込んだようだった。


きっと妖精はいるな。

魔女の宅急便も
荷物を届けてくれる。


後でこの町の人に
「なんで☆があるの?」と聞いたら

昔。
ある人が平和を願って
僕がもう一度この場所に戻ってきたら
ここに☆を掲げます
と宣言して出て行き
そして戻ってくることができたので
その時から☆が掲げられたのらしい。


なんだか
魔法をかけられたような気分にさせられたこの町。


もっと長くいたい気分にかられながら
わずか3時間程の滞在を
楽しんで
でもおしんで
またヘンな親父のミニワゴンに揺られて
山を下りた。


次ここに来る時は
絶対
何日か滞在しよう。