サスライノヒビ -7ページ目

ここはフィレンツェ

一人になって2日目。

ラベンナからフィレンツェに移動完了。


電車が遅れたり

宿泊先がみつからなかったり

道がトランクを運びにくかったりしたけど

もう夜がきた。


やっぱりここは大都会の匂いがする。


いやな表現だけど

都会ってなんだか小便臭いと思うのだ。


私も含めて多くの人が憧れる街をこんな言い方したら

殺されるな、私。


でも本当。


人は多いし、

車も多いし

ラベンナに戻りたい気分になってしまった。


でもいいこともあったので

今日はこのまま

ゆったり眠れそうだ。


あまりにネットカフェのパソコンがつかいにくいので

その話はまたあとで。。。


隣の席では

素敵なマダムが使いにくい!ときれている。


同感。

すごい力

syujin
ご飯を食べて
B&Bに戻ると
鍵を閉めるのにワタワタしていた私を
女主人が笑顔で迎えてくれた。

彼女の裁縫の生徒さんという
大学生のソフィアを紹介され
英語のしゃべれる彼女と
すごい勢いで打ちとける。

イタリアで英語のしゃべれる人に出会うと
ほっとしてしまう。
女主人もB&Bを経営しているのに
まったく話せないんだもの。

話しているうちに
女主人の不思議な力の話になった。

彼女にはとてもすごい力があるらしい。

彼女は亡くなったお母さんと
会話ができるのだ。

彼女のお母さんが亡くなった6年後、
突然、彼女の手が動いて
紙に文字を書き始めたらしい。

それは
彼女自身が書いているのではなく
彼女のお母さんが
彼女の頭に話しかけて
それを紙に書いているのだという。

内容は輪廻転生や
あの世の話。

彼女はお母さんのその力で
本を出版したのだという。

2冊の本をみせてもらったのだけど
当然、イタリア語。

とっても興味があるから読みたいのだけど
英語にも翻訳されていないのだから
お手上げだ。

ソフィアに翻訳してくれ、と
頼んだら
私には難しい内容で
まだ読み切れていないのだ、という。

「あなたがこれを読んだら
日本語に翻訳してくれる?」
と女主人に言われ
「できるもんならしたいけど
イタリア語は本当にお手上げです」
と正直に答えた。

私は、あの世や
輪廻転生はある、と信じている。
別に何がどうだから、という理由はないけど
きっとあると思うのだ。

読んでみたいなぁ。
誰かせめて英語に訳してくれないだろうか。

けれど、女主人の多才さは
そんなところにまで
及んでいたのか、と本気でびっくりした。
彼女は手を傷口とかにあてると
治療もできるらしいし
すごい人っているんだなぁ。

今日からひとり

今まで一緒に旅していたYuちゃんが
ロンドンへ戻ったので
今日からは一人旅。

二人で最後に一緒に来た
ラベンナという街に
1泊することに決めた私。

本当は今日中にフィレンツェへ行くつもりだったけど
なんとなくこの街が気に入ったので
もう1泊することに決めた。

モザイク美術で有名なこの街は
とても居心地がいい。
人も多すぎないし
街はとても綺麗だし
数々のモザイクの美しさにも
魅了されっぱなし。

けれど
なんでだろう。
一人になった途端
私の持ち味のトラブル体質が出てくるのは。

駅に預けた荷物を取りにいったら
ロッカーが壊れてて
荷物出すのに時間かかるは、
宿泊先に行くために
バスに乗ろうとしたら
時刻表は読めないし、
隣に立ってた女の子に確認したのに
バス停間違えて立ってるは、(彼女が間違えた。。。)
バスは1時間に2本くらいしかこないは
重い荷物を持ち歩く私は
もう、泣きたい気分満々だった。

今すぐフィレンツェへ行けってことか?

ラベンナでの宿泊先は決めたけど
バス停が駅前だったので
真剣にフェィレンツェに行くか悩んだ。

けれど
やっぱりこれだから旅。

泊まることになっていた
B&Bがとっても素敵だったので
それだけで救われた。

単純なところが私のいいところだと思っている。

笑顔で迎えてくれた女主人。
彼女は多才で
布に絵を描いてそれをタペストリーにしていたり
ライトも彼女の手作りだったり
当然のように
イタリア語のしゃべれない私に
伊英辞書を持ちながら
一生懸命話してくれた。

でも、
なんだかとっても素敵な女性なのだ。

ひとりの旅のはじまりに
とってもいい出会いの予感。

ちょっとさみしい気持ちはあるけれど。

追いかけてフェラーラ

貸し自転車に乗って
フェラーラの街を探索中、
気球を見つけた。

薄いブルーの空に
深紅の気球がとっても綺麗で
思わす気球を追いかけて走ってしまった。

だって
ものすごく近くに
着陸しそうになっていたのだ。

気球の降りる場所が見たい!!
見たことないもん!!
とおおはしゃぎで
少女のように
ウキウキしながら自転車を走らせた。

結局
その気球は
着陸しそうで
しなくて
そのまま。また、
空高く
高く
飛んでいってしまったのだけど
それでも
ココロの爽快感は残った。

キレイじゃないかもしれない芝生に
寝っころがって
うーーーんと伸びて
起き上がったら
Yuちゃんと私の背中は
枯れ草だらけだった。

今日からふたり

今まで色んな方に
お世話になりながら
イタリアに滞在していた私たち。

アンジェリーナに見送られ
フェラーラへ向った。

今日から2日半は
本当のふたりきりの旅だ。

駅からかなり歩いたところにあるB&Bに宿泊。

外見は普通の家で
外を見ただけでは不安だったけど
中に入って大満足。
とっても綺麗で落ち着く感じ。

チェックイン後、お出かけする前に
おばあちゃんが
笑顔で手を振りながら見送ってくれた。

その笑顔が本当に
本当に、
もう一回くらい
本当に魅力的で
幸せ度が一気に120%アップ。

やっぱり笑顔だよ、笑顔。

ブドウの収穫

アンジェリーナの古郷
ベネトはコネリアーノにいる。

彼女の実家はワイナリーで
そこでブドウの収穫を体験する。

プロセッコーという種類のブドウ。

朝から歌を歌い
みんな仕事をしている。

けれど、とりあえずハードだ。
ブドウを房から切り離し
傷んでいる部分が多いと
そこを取り除く。

それだけの動きだけれど
想像以上にハードで
午前はまだよかったけれど
午後はもう、
ただただ
集中して
何もしゃべらずに
想像の世界だけで生きながら
手と体だけは
現実でブドウをピックアップしていた。
その想像は
現実世界からは
とってもかけ離れたものなので
ここで書くことすらできない。

私たちは朝9時くらいからの参加だったけど
アンジェリーナの家族やらは
みんな7時半くらいから作業しているという。
それは18時くらいまで続く。

けれど、そんな中でも
やっぱり素敵な笑顔にたくさん出会うんだ。

あの笑顔。
彼らと同じ状況で
生活をして
同じように生きたら
私も同じように笑えるだろうか。

正直、自信ない。

本当に素敵な人たちなんだ、みんな。
そして、いろんな思いを胸に
生きている。

いいことも悪いことも
色んなことが起こっていて
それに立ち向かっていたり
今は幸せだったり。

それは国が違えど
言葉が違えど
同じこと。

みんな何かに必死に生きている。

新しい出会い

新しい場所、リグーリア。

ここでYuちゃんの友達アンジェリーナと待ち合わせ。

彼女はロンドンに住んでいるのだけど
イタリアへ帰ってきたら
いつもリグーリアの友達の家にステイして
それから
古郷のベネトへ帰ることに決めているのだという。

ココロがフリーになる。
そう言っていた。

ここで出会った人。
風景もまたそうさせてくれる。

私たちもアンジェリーナと一緒に
彼女の友達の家族の家にステイしたのだけど
ここの人たちもとっても
あたたかく笑顔が素敵だ。

何だろう。
日本とお客さんの受け入れ方が
全く違うと思うのだ。
外国って。

アメリカで
ミミの家族と一緒にご飯を食べたときや
スコットランドで
バジルの家族と過ごしたときや
サルディーニャで
コンセイロの家族にたくさん会った時。

それぞれ受け入れ方は違うけれど
みんなあたたかく
そして、とても近い感じがする。

挨拶で
ほっぺたをあわせたり
抱き合ったりするところで
一気に相手のココロに入ってしまうような
そんな感じがする。

言葉は違えど
伝わるものって多いし。

笑顔の行方

サルディーニャの人たちに出会って
笑顔の素敵な人になりたいと思った。

さすがイタリア人。
ハナはツンと高く
彫りも深く
元々みんな綺麗なのだけど
それ以上に笑顔が素敵だ。

心の底から出てくる
素敵な笑顔。

私は昔
笑えない子供だった。

別に不幸ではなかった。

自分で笑えないことには
気づいていなかったし
それが普通だったので。
ある意味、
幸せだったのかもしれない。

けれど、ある日
それを指摘した人がいる。

今から10年くらい前の話だ。

その時はじめて
私はそのことについて
涙を流した。
気づかなかったけれど
指摘されたら
自分が普通でないような気がしたのだ。

その後10年は
よく笑った。
こんなに笑うことが
自分の中で大きいことなんだ、と気づいたからこそ
とっても素敵な笑顔にたくさん出会えるのかも知れない。

別れの日

今日はサルディーニャからリグーリアへ移動の日だった。

たった4日間の滞在だったけれど
サルディーニャにはたくさんの出会いがあった。

もう帰らなければならない別れの瞬間。

コンセイロのお母さんの手を握ったら
離せなくなってしまった。

お母さんも離さない。

お母さんからはミルクの香りがする。

一生懸命イタリア語で何か言ってくれている。
「よい旅を」をと言ってくれているらしい。

お父さんも横で何か言ってくれている。
最初に出会った日、
彼は日本人に会ったのは生まれてはじめてだ、と言っていた。

お母さんの手をなかなか
離せないのだけど
そんなわけにはいかない。

車の中からも手を振り
落ち着いた頃
私の手には
お母さんのミルクの香りが残っていた。

明日からはまた違う場所。

お母さんのチーズ

cheese
コンセイロの家族と
一緒にランチを食べていた時
とってもかわいらしい
チーズが出てきた。

よく見ると鳥の形をしている。

思わず写真を撮る私たち。

彼女が作っているところを
実演してくれると言った。

彼女の手のひらで
ただのチーズはあっという間に変身をとげて
とってもかわいらしい鳥になった。

食べる時
頭から食べるか羽から食べるか
お尻から食べるか迷っていたら
同じ頃、Yuちゃんが
みんなに
日本にも鳥の形のクッキーがあって
食べる時どこから食べるか迷うんだ、という話をしていた。

結局。
いつも私は
お尻からいただく。