サスライノヒビ -3ページ目

スイスへ

何年前か忘れたけれど

たぶん3年くらい前に
スイスにお嫁にいった
Makiちゃんに会いに行くことが決まった。


10日から行ってくる。


おめでたいことに妊娠した彼女。


人以上につわりがひどくて
一人では何もできない、
ということだったので
今回の訪問はあきらめて
またの機会にしようかと
ほぼ、あきらめかけていたのだけど
「だいぶましになったからおいで。」
と言ってくれた。


彼女に会えたら
私の今回の旅でやりたかったことが
ほぼ全部達成できたことになる。


やっぱり
タイミングってあると思う。

ドイツに到着

toshi

夏に日本に帰った時
いろんな方に
「ドイツに行ってきます」と
宣言していたのだけど
結局いきついたのは10月の最後の日。


ここでは
あるご夫婦にお世話になっている。


彼らに出会ったのは
おそらく2年半程前。

タイに撮影の仕事で行った際
ビーチで出会った。


撮影も全て終わって
後は帰国だけ、という状態の最終日。

タイに来ているわりには
仕事以外で海を見ていない!
とモデルの女の子と
早朝から海に浮いていた。

彼女が部屋に戻り、
私もそろそろ戻るか、、、と思っていた時に
同じように海に浮いていたのが彼ら。


その時はほとんど話さなかったのだけれど
その後文通という形で
なんとなく関係が続いていた。


いつかドイツに行くね、
と言い続けて
今回やっとくることができた。


来てからはじめてわかったのだけど
彼らは昔
結構有名な歌手だったらしく
今は特に仕事はせず
のんびりとした生活を楽しんでいるらしい。


思った以上の熱烈歓迎を受けて
びっくりしている私。


家に着いたとき
ベランダに行ったら
ハロウィンのカボチャが飾ってあった。


「これで昨日ランプを作ったよ」と言ったら
「これはトシコだよ」
と彼ら。


なんのことかと思ったら
カボチャの顔のおでこに
「TOSHIKO」
と書いてある。


なんでも私が来週行くね、と
電話した日に作ったらしい。


思わぬ歓迎ぶりに
思わず足の力が抜け
地面に足をついて
お腹を抱えて笑い続けた。

ハロウィンパーティ

hosi

ロンドン最終日。


バジルのアパートで
ハロウィンパーティを開くというので
喜んで出かけて行った。


そこではじめて
カボチャランプ作りに挑戦。
我ながら
なんともかわいくできて満足。


「名前をつけたらどうか?」と
バジルのルームメイトのエレナが提案。


彼女に命名をお願いしたら
「トシコがお母さんなんだから
 トシコがつけなきゃ。。。
 でも最後は「チャン」がいいと思う、」
とのことで

命名「ホシ カボ チャン」


そのパーティは
ほとんどがバジルの友達という
日本語を勉強しているイギリス人と
ロンドンに暮らす日本人が集まった。


かなり上手く日本語を操る
イギリス人と
多くの日本人。


みんなでカボチャスープやら
バジルの作ったクスクスやらをつつきながら
色んな話をする。


何とも不思議な空間だ。

ホシカボチャンは好評で
パーティの間、
部屋を照らし続け
みんなの話を聞いていた。


楽しい夜はあっという間に更けて行く。


バジルとももう
しばらくは会えない。

10月の終わり

気がつけばもう

10月も終わるんだな、と

ふと

思った。


今はイギリスに里帰り中。


ここでの日々は旅というより

住んでいる。

という感覚。


周りは英語だし

なんだか

とっても

ほっとできる場所。


こっちでできた友達にあったり

お茶しにいったり

マーケットに行ったり

芝居を見たり

友達と料理したり。


とても充実している。


この間まで

フランスにいたことも

不思議なくらい。


最近

自分が

どこにいるのかわからなくなるときが

よくある。


日本なのか。

フランスなのか。

イギリスなのか。


日本ではない外国のはずだけど

でも

青い空を

道に座ってみていると

ここが日本のような感覚に陥り

ふと

我に返る。


でも

どこにいても

私は私で

何も変わらないんだ。


英語で話していても

日本語であっても

何をしていても

ずっと私。


空は全部つながっているし

なにもかしこも

つながっていけるよ。


明日も晴れますように。

ロンドン着

帰ってきたー。
ロンドンに。


なんだかほっとしている私がいる。


ここは私の古郷ではないけれど
待ってくれる人がいる
会いたいと思う人がいる
という意味で
古郷同然。

yuちゃんちにたどり着いたのは
深夜。


彼女は
おにぎりを用意して待っていてくれて
もう、会えた喜びと
ここに帰って来れた喜びと
1ヶ月の思いと
いろんなことで
嬉しくて
嬉しくて
何度も抱きついた。


ほっとしたー。

本気で嬉しい。


パリへ

プロバンス地方からパリへ向かった。

飛行場へ行くために。


ただ、フライトよりもだいぶ早い時間に
パリへ着く。


フライトまでの間に
最後のパリを楽しむわけだけど
どこへ行くかはもう決まっていた。


それは、
今回のフランスで
私がやりたいと思っていたことのひとつ。


「10年前にはじめて一人で訪れたカフェに行くこと」
だった。


10年前はじめての海外旅行で
3回だけ友達と別行動をしている。


なんとなく見つけた小劇場に芝居を見に行った時と
運悪く喘息が出て
病院に行った時の病室。
あと一回は
大学の先輩にあたる人に会いに行った時だ。


大学の教授に
フランスに旅行へ行くことがばれた時に
同じ学科の卒業生が
フランスに留学しているから
会いに行きなさい。
と言われた。


それで会いに行ったカフェが
今日訪れたカフェというわけだ。


名前も忘れてしまったし
どんな感じだったかも忘れた。


憶えていたのは
凱旋門近くの
Avenue Carnot
というところにあるカフェ。
ということだけだ。


あの時のことを思い出した時に
すごく胸がドキドキした。


一人でパリの街を歩いて
カフェに入り
「アン ショコラ シルブプレ」
と言った場所だ。


まだ、一人で牛丼屋さんに入ったことも
漫画喫茶に入ったことも
レストランに入ったこともない
純な私がそこにいたはずだ。


どうしてもそこに行きたいと思っていた。


やっぱり理由はなんとなくだ。

あのときのドキドキを思い出した時に
ものすごく
ドキドキしたからかもしれない。


今回念願かなってたどり着いた時
そこが本当に10年前に訪れた場所かどうか
わからなかった。


けれどそんなことはどうでもよくて
とりあえず入って
もう一度言ってみた。


「アン ショコラ シルブプレ」
と。


甘過ぎないココアが出てきて
ベタに写真なんかを撮ってみて
あっという間に飲み終えた。


普通のココアだ。


あの頃から
私は変わったかもしれない。
変わっていないかもしれない。


けれど、いつでもドキドキしていたい、
という気持ちは
今でも変わらないのだ。


これで私の今回のフランスは
終わりを迎える。


いい終わりだ。


最後の日

実質、フランス最終日にあたる今日。

日没がキレイに見えそうな気がして
川岸へ急いだ。


ドイツの知人に電話しながら
それはそれは
きれいな
まんまるい夕日が沈んでいく姿を
しかと見届けた。


その後はすごい勢いで
雲が赤紫色に染まっていった。


明日ロンドンへ戻る。
飛行機が飛べば。。。


旅の最初に訪れたロンドン。

ロンドン滞在中から
タイミングがあれば
ロンドンへ戻りたいと思っていた。


ロンドン滞在中にできた友達にも会いたいと思ったし
yuちゃんにも会いたかった。


次はどういうルートで動こうかな、と
エアラインチケットをネットで見ていた時に
意外と安くでロンドンへ行けることを知り
一度戻ることを決めた。


10月25日で
私のこの旅はまる2ヶ月が終わったことになる。

残り1ヶ月。


旅の途中、
やっぱり3ヶ月は長いなぁ、、、
選択を間違えたかしら、、、と思っていた私だけど
こうして考えると
ものすごく早い気がする。


後1ヶ月は
あっという間かもしれない。


だいぶいろんなことに慣れてきて
自分の求める旅スタイルも
わかってきたので
ロンドンで体制を立て直して
いらない荷物などを日本に送り返して、
次は
夕日の中電話がつながった
ドイツの知人を訪ねて行くつもりだ。


「ちょっと、長期で滞在するけどいい?」
と訪ねたら
「もちろんいいに決まっているじゃない!
 早く来なさい。
 明日来る?」
と言われた。


きっとあっという間なんだ。


そして
この旅も
いつかは終わりを迎える。

夜歩く。 アルルの一夜

aruru

すっかり
いろんなことに慣れてきた感のある私。


誰がなんと言おうと
慣れてきたのだ。


いいか悪いか
ユースホステルを利用することにも
慣れてきた。


アルルへ着いた時
バスの親父が
予定より遅くついたせいで
ユースの方向へ向かう
最終バスが終わっていた。


さてどうしたもんかと
そのへんにいた
おじさまに道を聞き
重い荷物を引っ張りながら
ユースまで歩きはじめた。


強くなったもんだ。
と思う。


今年の1月には
Hayward でバスを乗り間違えて
ワンワン大泣きしていたこの私が
日本ではない国で一人で旅に出て
英語で人に話しかけ
文句を言ったり
自分で解決しようとしたりして
毎日過ごしている。


無事ユースでチェックインをすませ
部屋に行くと
なんだかファンキーな感じのおばちゃんが迎えてくれた。


フランス人の彼女は
おでこにTATOOを持ち
自転車で旅をしていると言った。


彼女と話をしていると
もう一人の同室のペルーから来た
ジョアンヌという女性が戻ってきた。


おばちゃんとジョアンヌが
「私たちは今から
 夜のお散歩に行くけどどうする?」
と言った。


今日はムスティエで歩きすぎたし
足もパンパンだから
早く寝よう、と思っていたけど
「もちろん行く!」
と答えている私がそこにいた。


タフになったもんだ。


3人で
フランス語と英語を入り交じらせながら
町を徘徊した。


その後、偶然
もう一人の同室の女性に出会い
4人で歩き続けた。


早速、
ゴッホの「夜のカフェ」にも出会え
興奮気味に夜は過ぎ
久々にワインを飲んだ。
(と言っても5日ぶり。。。)


気持ちいい。


彼女たちは真剣に
ヨーロッパの未来について
語り合っていた。
フランス語なので私はわからず
少しだけ通訳してもらって
彼女たちの真剣な眼差しを見続けたのだった。


アルルの一夜は
結構すぐに更けていった。

アルルへ向かう

arurur

フランス滞在の最後をどこで過ごすか悩んだ。


アルルに行くか。
アビニョンへ行くか。
パリへ戻るか。


ずーーーーっとガイドブックとにらめっこした結果
またまた直感で
アルルへ向かうことにした。


アルルには
ゴッホが見た数々の景色がある。


昔。
子供の頃
彼の描いた
「ひまわり」が好きになれなかった。
理由はわからない。
でも、なんで世の中の人が賞賛するのかわからなかった。
なんだかかわいそうなひまわりに見えた、


でも、今年からだと思う。
彼の絵が
私を引きつけた。

なんでかはやっぱりわからない。
たびたび美術館などで見る彼の絵は
いつも私の足をひきとめた。


そして旅に出る前。
ひょんなことで行ったカフェに
彼の「夜のカフェ」という
絵のポスターがはってあった。


あ。夜のカフェだなぁ、、、

と思っていたら
次の日
母のお友達に会いに行った時に
彼女が
「この間ゴッホ展に行って、

大好きな「夜のカフェ」を生で見たのー」
と興奮気味に話し
ゴッホのポストカードをくれた。


なんとなく
そのポストカードを
お守り変わりにこの旅に持ってきていて
時々眺める時がある。


そんなこんなで
なんとなくゴッホに縁を感じている。
勝手に。


だからアルルへ行こう。
と決めた。


彼の見た景色を見てみよう。


エクスからムスティエサントアマリーへ行ったその日。

ハードにも夕方から
バスでアルルへ向かった。


バスの運転手の親父がフランス語しかしゃべれず
英語で話しかけると
キレられたりしたので
すっかりへこみながらバスに乗り、
あれ?この直感は間違ったかなぁ。。。
と思っていた時。


窓から見える夕日と
空のコントラストが
なんとも最高だった。


ゆるす。
許すよ、親父。


さて。
アルルには何が待っているのか。

☆をかかげる山  ムスティエサントアマリー

プロバンスにある
エクスアンプロバンスというところにいる。


ここまで来た目的。

それは
噂だけで聞いた
ムスティエサントアマリーという村にいくためだ。


Kyoちゃんが旅先で出会った
1年くらい旅をしている男の子が
「ここの村が一番よかった」
と言っていたらしい。


エクス(アンプロバンス)から長距離バスが出ている。


Kyoちゃんも行こうとして
エクスまで行ったらしいけど
あいにく、日曜のためバスがなかったらしい。


「代わりに行って写真撮ってきてよ」
「時間があったらねー」


この会話をしたときは
行こう、とは思っていなかった。


きっと時間はないな。


でも、ロンドン出発までの空白の4日間を
どう過ごすか考えた時
上位にあがってきた。


なんとなく気になったのだ。


日曜はバスがない、という情報と
朝の9時しかバスがない、という情報だけを胸に
エクスまでやってきた。


駅で聞くと
1週間のうちに
月/水/土の3日間だけバスが出ていて
そして、その日も
1往復だけ。


エクスに着いた日が
木曜だったので
「明日はバスないよ」と言われて
土曜日に行くことを決めた。


エクスにいる2日間。
ずっと土曜日のバスを待っていた。


晴れますように。
晴れますように。


こればっかり
考えていた。


そして運命の土曜日。

晴れるかどうかわからないけれど
素敵な朝焼けの中
出発した。


途中、
ヘンなノリノリの親父の運転する小さなワゴンに
乗り換えをするようなへんな
乗り継ぎを経て
グルグルと山道を走り
お目当ての場所に到着。


すごい山だ。


しかし、強くなったもんで
「登るぞー」
と息巻いて
探検に出かけた。


見える山がとっても魅力的で
下に見える景色も
かわいらしかった。

お天気も悪くない。


少し道をあがっていくと
そこはおとぎの国のようだった。


小さなお店と
レストラン。
石畳の道と
たくさんのグリーンと
そこの地方の伝統であるという
陶器でできた道のネームプレート。
所々にある
水汲み場。


とっても居心地がよかった。


観光案内所でもらった地図も
宝探しに出かけるかのようなかわいらしさ。


そして
一番の見所。

それは
山と山の間に掲げられている
☆ではないだろうか。


地図を見ても
絵を見ても
山と山の間におほしさまが描かれている。


それを見た時は
なんのことだろう。。。
と思っていたのだけど
よくよく見たら
本当に掲げれているのだ。

☆が。


かわいい。


☆に近づくために道をあがって行った。


その下に広がる景色も
なんとも童話の中に迷い込んだようだった。


きっと妖精はいるな。

魔女の宅急便も
荷物を届けてくれる。


後でこの町の人に
「なんで☆があるの?」と聞いたら

昔。
ある人が平和を願って
僕がもう一度この場所に戻ってきたら
ここに☆を掲げます
と宣言して出て行き
そして戻ってくることができたので
その時から☆が掲げられたのらしい。


なんだか
魔法をかけられたような気分にさせられたこの町。


もっと長くいたい気分にかられながら
わずか3時間程の滞在を
楽しんで
でもおしんで
またヘンな親父のミニワゴンに揺られて
山を下りた。


次ここに来る時は
絶対
何日か滞在しよう。